広告費は毎月使っている。それなのに申し込みは増えず、獲得単価だけが上がっていく——短期集中型のオンライン英会話「スパルタ英会話」も、同じ状態から始まりました。
支援初月、月間リードは 25 件から 42 件に増えました。広告 CPA は約 3 割下がりました。そして支援が終わった今も、スパルタ英会話は当時作った「型」でマーケティングを回し続けています。
案件概要
- クライアント
- スパルタ英会話オンライン英会話・コーチング
- 当時の体制
- 広告の専任担当者は不在。代表が他業務と兼務で運用を引き継いでいた
- 支援期間
- 2023年11月〜2025年2月(1年4ヶ月)
- 支援内容
- 集客戦略の設計、Web 広告運用(Google / Meta / LINE)、キャンペーン企画、LP 改修、公式 LINE 構築、月次レポーティング、社内マーケ担当者の育成
- 広告規模
- 月間広告費 約 50 万円規模
- 進め方
- 最初の 2 週間はチャット + オンライン MTG で集中引き継ぎ → 以後は隔週定例 + 月次レポート
月間リード獲得数
25 件 → 初月で 42 件
約 1.7 倍。支援期間を通じて平均 40 件/月
広告 CPA
約 3 割削減
支援終了後
1 年以上、同じ型で自走運用が継続中
2026年7月時点
課題
運用者が代わるたびに、数値が下がっていく
スパルタ英会話は「3ヶ月で英語を話せるようにする」短期集中型のコーチングサービスです。高単価で検討期間が長い商材のため、リード獲得は Web 広告への依存度が高い構造でした。
問題は、その広告運用の担い手が空白になっていたことです。前任のフリーランス運用者は、改善提案の頻度が下がり、数値も下降。契約終了後は、マーケティング経験のない代表が運用を簡易的に引き継ぎましたが、下降は止まりませんでした。月間リードは 25 件まで落ち込み、売上目標に対して早期の立て直しが必要な状況でした。
外部に任せても提案が来なくなる。社内で持っても回らない——広告運用の「属人リスク」が数字に出た、多くの会社で起きている状態です。
依頼
「引き継いで、立て直してほしい」
相談は、スパルタ英会話の親会社・株式会社 We& から届きました。依頼内容は新規の運用代行契約ではなく、「前任からの引き継ぎと、数値の立て直し」。求められていたのは提案書の美しさではなく、初月から数字を動かすスピードでした。
決め手になったのは二つです。一つは、立ち上がりと引き継ぎの速さ。もう一つは、短期間で広告とキャンペーン施策を連動させた提案の具体性です。
アプローチ
2 週間で引き継ぎ、1 週間でクリエイティブを差し替える
最初の 2 週間は集中引き継ぎに使いました。現任の代表と前任のフリーランス運用者の両方にヒアリングし、チャットと必要に応じたオンラインミーティングで密に詰める。着手から約 1 週間でクリエイティブを差し替え、初月にはクリエイティブ刷新と季節性キャンペーン(正月の新春キャンペーン企画)をファーストビューに適用しました。
結果、初月で月間リードは 25 件から 42 件になりました。
立て直しと並行して、競合分析、ペルソナとカスタマージャーニーの整理、目標設計・施策シートまでの戦略ドキュメント一式を作成し、場当たりではない改善の土台を固めました。このドキュメント群は支援終了後も先方に残り、いまの自走運用の土台になっています。
実物の戦略ドキュメントの目次。3C/SWOT 分析からテストマーケ用 LP 構成要素まで 15 種の成果物を、BtoB / BtoC(高単価・低単価)の 3 セグメント別に整備しました。
その上で、改善は次の三点セットで回しました。
- キャンペーン企画の設計 — 「春の入会金キャンペーン」(入会金 5 万円分キャッシュバック)、受講生の 1 日の流れや「金額分の価値があったか」まで語ってもらう「モニターキャンペーン」など、季節と検討行動に合わせてオファーから設計。広告の見た目ではなく「何を提案するか」から作り直しました
- LP 改修 — キャンペーンに合わせてメインビジュアルとフォームを更新。訴求と受け皿を常にセットで動かします
- バナーテスト — Meta 広告を中心に A/B テストを継続し、クリエイティブの当たりをデータで見つけます
LP のファーストビュー。通常時(左・2024年2月)と、キャンペーン適用時(右・2024年9月)。季節のキャンペーンに合わせてメインビジュアルを入れ替えて運用します。
出典: Wayback Machine のアーカイブ(2026年8月3日取得)
実際の広告クリエイティブ。新春の入会金キャンペーン(左)と、年末キャンペーン(右)。オファーの設計から作り、LP と広告を連動させます。
この三点セットは媒体を選びません。Meta も Google も、クリエイティブとキャンペーン設計の両輪で数値が改善しました。そして高単価・長期検討の BtoC サービスであれば、業種も選びません。「入会金キャッシュバック」はスクールやジムの入会金に、「モニターキャンペーン」はサロンやクリニックの症例企画に、そのまま置き換えられます。
運用のリズムは隔週の定例会です。Google リスティングと Meta の両方をメンテナンスし、クリエイティブは摩耗が起きない程度の頻度で追加。月次では広告部門のレポーティングまで引き受けました。
広告以外の実務も引き受けました。公式 LINE「5min英会話」(1 日 5 分の学習コンテンツ配信)の整備。アフィリエイターが商標キーワードで無断のリスティング出稿をしていた事象の特定と停止対応。広告の数字の外側にある「守りの仕事」まで含めて、マーケティング全体を見る体制です。
育成
目標は「いなくなっても回る」こと
支援と並行して、社内のマーケティング担当者の育成を進めました。作成した戦略ドキュメントはすべて先方の手元に残しています。
スパルタ英会話の LP は、トップのメインビジュアルを季節ごとのキャンペーンに合わせて入れ替える設計です。この支援で作ったバナー入れ替えの仕組みは、支援が終わった現在もそのまま使われ続けています(2026年7月時点)。
成果
- 月間リード獲得数: 25 件 → 初月で 42 件。以後、支援期間を通じて平均 40 件/月を維持
- 広告 CPA: 約 3 割削減
- 戦略ドキュメント一式とバナー入れ替えの仕組みが社内資産として定着し、支援終了後も運用が継続
同じ課題を抱える会社へ
私がこの案件で確信したのは、広告の成果はキャンペーン設計とクリエイティブの両輪でしか動かない、ということです。どちらか片方だけ直しても、数字は動きません。
そして、運用者の交代で数値が下がっている状態は、放置するほど立て直しに時間がかかります。同じ状況にある会社は、まず引き継ぎの設計から始めてください。(humbulls 代表・栗田)
この型は、いまは AI でさらに速く回せます
この支援は AI 活用が本格化する前のものです。現在の humbulls は、同じ三点セット(キャンペーン設計 × LP 改修 × バナーテスト)を Claude Code と画像生成 AI で回しています。LP 制作は実働 3 日で初稿まで進めた実績があります(遺伝子検査ブランドの BtoB LP 事例)。
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