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HubSpot と Salesforce を Zapier で連携する最小構成 — 流入経路分析だけ

HubSpot と Salesforce を Zapier で連携する最小構成 — 流入経路分析だけ

最終更新日: / 公開日:

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本記事のポイント

  • HubSpot と Salesforce の公式ネイティブ連携は HubSpot Professional 以上が前提です。Starter では使えませんが、流入経路分析だけなら Zapier で「メールアドレス + 流入経路 1〜2 項目」を流すだけで成立します
  • 連携方針の決定 → 流すデータの最小設計 → Zap 構築 → Salesforce の分析ビュー → 動作確認までを、そのまま再現できる STEP と巻末の設計キット付きで解説します
  • 完全同期を目指さず 1 項目に絞れば、必要なのは Zapier Starter ($19.99/月) 1 本だけ。営業は Salesforce、マーケは HubSpot のまま、流入経路別の商談化率が見えるようになります

「営業は Salesforce、マーケは HubSpot。この 2 つをつなぎたいけど、公式連携は上位プランじゃないと動かないと言われた」。併用体制の現場でよく聞く悩みです。

原因はプランの不足ではなく、流入経路を見たいだけなのに最初から双方向・全項目の完全同期を設計しようとして止まっていることにあります。

本記事では、営業と分業したまま「どのチャネルから来たリードが商談になったか」だけを見えるようにする最小構成の連携を、そのまま再現できる手順に落として解説します。特別なスキルは不要で、型と巻末キットで再現できます。

できあがるもの — Salesforce のレポートに「流入経路別の商談化率」が並ぶ

完成形から見せます。

下図の右側の状態がゴールです。HubSpot で獲得したリードの「流入経路」が Salesforce のリードに一緒に届き、Salesforce のレポートで「オーガニック検索」「広告」「紹介」といったチャネル別に商談化率が並びます。営業とマーケの道具はそのまま、分析に必要な 1 項目だけがつながった状態です。

完全同期と、流入経路だけをつなぐ最小連携を対比したフロー図

項目 内容
構築の所要時間 半日程度 (Zap 1 本 + Salesforce レポート 1 枚。要検証)
前提条件 HubSpot (Free/Starter でも可) / Salesforce (API アクセスのある edition) / Zapier 有料プラン
追加ランニングコスト Zapier Starter $19.99/月〜 (年払い、2026-07 時点)
連携するデータ メールアドレス + 流入経路の 1〜2 項目のみ (双方向・全項目にしない)

ここで大事なのは、これは「本格連携の劣化版」ではなく、目的に対する必要十分だという点です。流入経路分析に要るのは「誰が」「どこから来たか」の 2 つだけで、商談金額も活動履歴も分析には要りません。以下、STEP 1 から順に進めます。円換算は 1 ドル = 150 円 (2026-07 時点) で計算しています。

STEP 1. 連携方針を決める — 完全同期を最初から捨てる

「まずネイティブ連携を検討したが、HubSpot を Professional に上げないと使えなかった」。相談の入り口でいちばん多いパターンです。

HubSpot と Salesforce の公式ネイティブ連携は、双方向・多オブジェクトを高い完成度で同期できる強力な仕組みです。ただし利用条件があります。

HubSpot 側は Marketing / Sales / Service / Data / Content Hub いずれかの Professional 以上 が必要で、Free と Starter は対象外です (HubSpot 公式ヘルプ, 2026-07)。Salesforce 側も API アクセスのある edition が要ります。

つまり、上位プランを前提にできる組織にはネイティブ連携が最適です。一方、Starter 中心の少人数体制には、そもそも入口の扉が開きません。

ここで方針を分けます。

流入経路を見たいだけなら、双方向・全項目の完全同期は目的に対して過剰です。

判断基準はこう整理できます。

判断軸 ネイティブ連携 Zapier で最小連携 (本記事)
HubSpot プラン要件 Professional 以上 (Starter 不可) Free / Starter でも可
月額の目安 HubSpot Pro 級 (数万円〜) Zapier Starter $19.99/月〜
同期の範囲 双方向・全オブジェクト 片方向・流入経路 1〜2 項目
向いている組織 営業・マーケ双方が本格運用 まず流入経路だけ見たい少人数

よくある失敗は、この STEP を飛ばして「とりあえず全部つなごう」と Zapier で多項目・双方向を組んでしまうことです。Zapier は 1 回のデータ移動 (task) 単位で課金されるため、項目と頻度を増やすほど task を消費し、月の上限にすぐ届きます。目的を「流入経路分析」に固定し、運ぶものを絞るのが最初の分岐点です。

→ 方針と運ぶデータの設計は、巻末の実行キットで壁打ちできます。

STEP 2. 流すデータを最小設計する — キーは email、運ぶのは流入経路だけ

「連携というと全項目を揃えるものだと思っていた」。設計の場でよく出る前提です。ここを外すと、以降の構築が一気に軽くなります。

最小設計の考え方はシンプルです。2 つのシステムをつなぐには「同じ人物だと判定するキー」と「運びたい値」の 2 つがあれば足ります。今回のキーはメールアドレス、運びたい値は流入経路です。

流す方向は HubSpot → Salesforce にします。流入経路 (どのチャネルから来たか) は、Web 行動を計測している HubSpot が最初に持つ情報だからです。これを営業側の Salesforce に届ければ、営業がそのままリードの出所を見られます。

運ぶ項目は、次の 2 つに絞ります。

役割 HubSpot 側の項目 Salesforce 側の受け皿
突き合わせキー Email Email (Lead / Contact)
分析したい値 元の流入元 (Original Source 等) Lead Source (標準項目)

HubSpot の流入経路を Salesforce の Lead Source に片方向で写す最小マッピング図

つまずきポイントは、Salesforce 側の受け皿を先に決めておくことです。標準の Lead Source を使うか、専用のカスタム項目を 1 つ作るかを最初に決めておかないと、Zap を組んでから「入れる先がない」と手戻りします。流入経路の表記 (例: Organic Searchオーガニック検索) も、どちらの言葉で統一するかをこの段階で決めます。

もう 1 点。営業がすでに Lead Source を手入力で使っている場合、Zap で上書きすると営業の入力を消してしまいます。「空のときだけ入れる」のか「常に HubSpot 優先で上書きする」のかを、運用ルールとして先に握っておきます。

STEP 3. Zap を組む — HubSpot トリガー → Salesforce を検索 → 更新

「Zapier は触ったことがあるが、2 つのアプリをまたぐと急に難しく感じる」。実際に組む段で止まりやすい所です。構造を 3 ステップに分解すれば、迷いは消えます。

作る Zap は次の 3 アクション構成です。

  1. トリガー (HubSpot): 「Contact Recently Created or Updated」で、新規または更新された Contact を拾う
  2. 検索 (Salesforce): 「Find Record」で、同じ Email の Lead / Contact を探す
  3. 書き込み (Salesforce): 見つかれば「Update Record」で Lead Source を更新、なければ「Create Record」で作る

この「検索してから更新、なければ作成」の形にすると、同じ人物のレコードが二重に増えません。突き合わせのキーは STEP 2 で決めた Email です。

Zapier では HubSpot も Salesforce も premium app に分類されるため、この Zap を動かすには Zapier の有料プラン (Starter, $19.99/月〜) が必要です (Zapier 公式, 2026-07)。無料プランでは両コネクタとも使えません。

つまずきポイントは、トリガーが polling (定期確認) 方式である点です。Zapier Starter のチェック間隔は最短 2 分なので、HubSpot で獲得した瞬間に Salesforce へ届くわけではなく、数分の遅れが出ます。流入経路分析の用途では実用上の問題になりませんが、「リアルタイム同期ではない」ことは営業と共有しておきます。

もう 1 つ、task の消費に注意します。Zapier は 1 レコードの処理ごとに task を数えます。「Recently Created or Updated」は更新のたびに発火するため、HubSpot 側で頻繁に更新される Contact が多いと task を早く使い切ります。トリガーにフィルタを 1 枚かけ、「流入経路が入っていて、まだ Salesforce に渡していないもの」だけを通すと、消費を大きく抑えられます。

STEP 4. 分析ビューを作る — Salesforce レポートで流入経路別に並べる

「データはつながった。でも、それをどこで見れば分析になるのか」。連携が終わった直後に必ず出る問いです。

答えは Salesforce のレポート機能です。流入経路 (Lead Source) が営業側のレコードに乗ったので、あとは Salesforce 標準のレポートで集計できます。

作るレポートは 1 枚で十分です。

  • : Lead Source (流入経路)
  • 集計値: リード件数 / 商談化した件数 / 受注件数
  • 見たい指標: 流入経路ごとの商談化率・受注率

これで「広告経由は数は多いが商談化率が低い」「紹介経由は数は少ないが受注まで強い」といった、チャネルの質の違いが 1 枚で見えます。マーケの施策判断が、件数ではなく売上への寄与でできるようになります。

つまずきポイントは、流入経路が空のレコードが混ざることです。Zap を動かす前から Salesforce にいた既存リードには Lead Source が入っていないため、「(空白)」の行が大きく出ます。分析ではこの行を除外するフィルタを 1 つ足すか、運用開始日以降に作成されたリードだけに絞ると、意味のある比較になります。

Salesforce のレポートに慣れていない場合は、この集計を AI に設計させることもできます。手順は巻末の実行キットにまとめました。

STEP 5. 動作確認 — 何が見えれば成功か

ここまで組んだら、テスト用の Contact を 1 件使って、次の 3 点を確認します。

  • Zapier の履歴: Zap を手動実行し、トリガー → 検索 → 書き込みの 3 ステップがすべて success になっている
  • Salesforce のレコード: 対象の Lead / Contact の Lead Source に、HubSpot の流入経路の値が入っている
  • レポート: 流入経路別のレポートに、そのテストレコードが正しいチャネルの行で 1 件加算されている

3 点が揃えば、以降は数分間隔で自動的に流入経路が Salesforce へ届きます。

初日は Zapier の task 消費量も 1 度見ておきます。想定より速く減っていれば、STEP 3 のフィルタが緩い可能性が高いので、対象を絞り直します。

まとめ — 「全部つなぐ」より「1 項目だけ寄せる」

営業は Salesforce、マーケは HubSpot という併用体制でも、流入経路分析だけなら上位プランのネイティブ連携は要りません。運ぶものを「メールアドレス + 流入経路」の 2 項目に絞れば、Zapier Starter 1 本で「どのチャネルのリードが商談になったか」が Salesforce のレポートで見えるようになります。

私たち humbulls が併用体制の支援で最初に勧めるのは、完全同期の設計ではなく、この「1 項目だけ営業側に寄せる」最小構成です。まずここで流入経路が売上にどうつながるかが見えてから、必要な項目を足していくほうが、task も設計も破綻しません。連携方針と運ぶデータの設計は、巻末の実行キットで詰められます。

流入経路が見えたら、次は増やす項目と頻度の設計です。

humbulls では、こうした併用体制の連携設計から分析ビューの構築まで ご相談 を承っています。HubSpot Starter の全体像は HubSpot Starter 活用ガイド にまとめています。

🤖 AI 実行キット

本文の判断と設計を、そのまま AI で実行するためのキットです。プロンプトは Claude (ブラウザ版で可) にコピペし、記入例を自社の値に置き換えて使ってください。

キット① 連携方針と流すデータを詰める — 30 分

種別: 判断キット 使うもの: Claude (ブラウザ版で可) 事前に用意するもの: 現在のプラン (HubSpot / Salesforce / Zapier) / 流入経路分析で見たい問い / 営業が Lead Source を手入力しているかどうか

プロンプト:

HubSpot と Salesforce を併用しています。流入経路分析だけを目的に、
Zapier で最小構成の連携を設計してください。完全同期は目的外です。

【私の環境】
- HubSpot: Starter(記入例。プラン名に置き換え)
- Salesforce: Enterprise / API アクセスあり(記入例)
- Zapier: 未契約 / Starter 検討中(記入例)
- 分析で答えたい問い: どのチャネルのリードが商談・受注につながっているか
- 営業は Salesforce の Lead Source を手入力している: はい / いいえ(記入例)

【必ず守る設計条件(本文の判断を転写)】
1. 運ぶのは「突き合わせキー=メールアドレス」と「流入経路 1〜2 項目」だけにする
2. 流す方向は HubSpot → Salesforce の片方向にする
3. Zap は「HubSpot トリガー → Salesforce を Find → Update、なければ Create」の3段構成
4. 営業が Lead Source を手入力しているなら、上書きせず「空のときだけ入れる」を既定にする
5. トリガーにフィルタをかけ、流入経路が入っていて未連携のものだけ通す(task 節約)

【出力】
- 運ぶ項目のマッピング表(HubSpot 項目 → Salesforce の受け皿)
- Zap の3ステップ構成(各ステップのアプリ・アクション名)
- Salesforce レポートの設計(行・集計値・除外フィルタ)
- 見落としがちなリスクと確認事項を3つ

出力の確認ポイント:

  • 運ぶ項目が 2 つ程度に絞られているか (全項目同期の提案になっていないか)
  • 方向が HubSpot → Salesforce の片方向になっているか
  • Lead Source の上書きルール (空のときだけ / 常に上書き) が明示されているか

うまくいかないとき:

  • 「双方向で全部同期しましょう」と返ってくる → プロンプトの「完全同期は目的外」を先頭で強調し、運ぶ項目数の上限を「2 項目まで」と数字で固定してください
  • レポート設計が曖昧 → 「行・集計値・フィルタを表形式で」と出力形式を指定し直してください

参考文献

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